※本ページはプロモーションが含まれています
はじめに:Web系とSIer系、その溝は「国境」よりも深い
エンジニア転職を考えたとき、誰もが一度は直面する最大の分かれ道があります。それが、Web系企業に進むか、SIer(エスアイヤー)系企業に進むかという選択です。インターネット上の議論を見ていると、「SIerはオワコン、これからはWeb系だ」という極端な意見や、逆に「Web系は不安定、SIerこそが正義」といった主張が飛び交い、これからキャリアを選ぼうとする人を惑わせています。
しかし、この二つの違いを単なる「流行り廃り」や「技術の新しさ」だけで語るのは危険です。Web系とSIer系では、そもそも収益を生み出すビジネスモデルが異なり、大切にしている文化も、評価される人物像も、まるで別の国のように異なっています。片方で英雄になれる人材が、もう片方では全く評価されないということも珍しくありません。
この記事では、表面的なメリット・デメリットの羅列ではなく、それぞれの業界が抱える構造的な違いに深く切り込みます。あなたがエンジニアとして幸せに働くためには、どちらの「国」の文化が肌に合うのか。その答えを見つけるための判断材料を、余すことなく提供します。
ビジネスモデルが決定づける「Web系」と「SIer系」の根本的な違い
Web系とSIer系の違いを理解する上で最も重要な鍵は、誰からお金をもらっているかというビジネスモデルの違いにあります。ここを理解すれば、なぜ働き方や文化に差が生まれるのかが全て氷解します。
SIer系:顧客の要望を叶える「納品」のプロフェッショナル
SIer(システムインテグレーター)のビジネスは、銀行や官公庁、大企業といった顧客からシステム開発の依頼を受け、それを完成させて納品することで対価を得る受託開発モデルです。ここでの正義は「契約通りのものを、納期通りに、高品質で納めること」です。
失敗が許されない社会インフラを担うことが多いため、開発手法は計画を厳密に立てるウォーターフォール型が主流となります。石橋を叩いて渡るような慎重さが求められ、膨大なドキュメント作成や何重ものテスト工程が発生するのは、顧客との約束(契約)を守るために必然的なプロセスなのです。
Web系:市場の変化に対応する「価値創出」のプロフェッショナル
一方、Web系企業(自社開発企業)は、自社でWebサービスやアプリを企画・開発し、それを一般ユーザーや企業に使ってもらうことで収益を得ます。ここでの顧客は不特定多数のユーザーであり、正義は「ユーザーに使い続けてもらい、利益を出し続けること」です。
ユーザーのニーズは日々変化するため、最初に決めた仕様通りに作ることには意味がありません。とりあえずリリースして反応を見ながら修正していくアジャイル開発が主流となるのはそのためです。スピード感や変化への柔軟性が何よりも重視され、ドキュメントよりも動くコードが優先される文化が形成されます。
※ご注意:
本サービスは「18歳〜29歳」かつ「首都圏・関西・東海エリア勤務希望」の方限定です。
Web系企業で働くということ:自由の裏にある「責任」
では、具体的にWeb系企業で働く実態を掘り下げてみましょう。多くのエンジニアが憧れる「自由な働き方」や「モダンな技術」は確かに存在しますが、そこには厳しい側面も同居しています。
技術選定の自由と、終わりのない学習
Web系企業の最大の魅力は、開発効率やユーザー体験を向上させるためであれば、新しい技術を積極的に採用できる点です。Ruby、Go、React、AWSなど、市場価値の高いモダンな技術スタックに触れる機会に恵まれています。私服勤務やリモートワーク、フレックスタイム制などが浸透している企業も多く、エンジニアにとって快適な環境が整っていることが多いです。
しかし、これは裏を返せば「技術は常にアップデートし続けなければならない」という強迫観念と隣り合わせであることを意味します。昨日までのベストプラクティスが今日は古くなる世界であり、業務時間外の自己研鑽が当たり前のように求められます。技術そのものが好きで、息をするようにコードを書ける人にとっては天国ですが、仕事をあくまで労働と割り切りたい人にとっては、息苦しさを感じる環境かもしれません。
成果主義と事業の不安定さ
Web系企業の評価制度は、年功序列ではなく成果主義が一般的です。年齢に関係なく、サービスに貢献できるエンジニアは高い報酬を得ることができます。しかし、自社サービスの売上が会社の業績に直結するため、サービスがヒットしなければ給与が上がらない、最悪の場合はサービス終了や倒産といったリスクも常に孕んでいます。このヒリヒリした緊張感を楽しめるかどうかが、Web系に向いているかの分かれ目と言えるでしょう。
SIer系企業で働くということ:安定の裏にある「制約」
次に、SIer系企業の実態を見ていきます。「古い」「堅い」といったネガティブなイメージを持たれがちですが、日本のIT産業を支えているのは間違いなくSIerであり、そこでしか得られないキャリアの価値も確実に存在します。
大規模プロジェクトマネジメントと安定性
SIerで働く最大のメリットは、社会的影響力の大きい巨大プロジェクトに関われることです。金融システムや公共インフラなど、ミスが許されないシステムを構築する過程で、堅牢な設計能力や品質管理、そして多くの利害関係者をまとめる高度なマネジメントスキルが身につきます。これらはWeb系企業ではなかなか経験できない、SIerならではの強みです。
▼ あなたの目的に合わせて選んでください ▼
※ご注意:
本サービスは「18歳〜29歳」かつ「首都圏・関西・東海エリア勤務希望」の方限定です。
※ご注意:
本サービスは「20代(未経験OK)」の方限定です。
地方から上京して就職したい方を歓迎しています。
また、大手SIerやその系列企業であれば、給与体系や福利厚生は非常に安定しています。プロジェクト単位での忙しさはあるものの、企業全体としての雇用は守られており、長期的なライフプランを立てやすい環境です。教育制度も充実しており、未経験からでも着実にエンジニアとしての基礎を固めることができるでしょう。
技術的な制約と多重下請け構造の弊害
一方で、SIerには構造的な課題もあります。顧客の要望が最優先されるため、技術選定の自由度は低く、枯れた技術(古いバージョンのJavaやCOBOLなど)を使い続けなければならない場面も多々あります。また、業界特有の「多重下請け構造」により、下流工程の企業に所属してしまうと、給与が上がりにくい、上流企業の指示通りに動くだけの単純作業が続くといった状況に陥るリスクもあります。SIerを選ぶ際は、その企業が商流のどの位置にいるかを見極めることが死活的に重要です。
結局、あなたに向いているのはどっち?判断のための視点
Web系とSIer系、それぞれの特徴を見てきましたが、最終的にどちらを選ぶべきか迷っている方のために、自身の志向性と照らし合わせるための視点を整理します。
「創る楽しさ」か「完遂する達成感」か
あなたが仕事に求めているのは、自分のアイデアを形にし、ユーザーの反応を見ながらサービスを育てていく「創る楽しさ」でしょうか。それとも、難しい要件を整理し、チームと協力して一つの大きなシステムを計画通りに作り上げる「完遂する達成感」でしょうか。前者ならWeb系、後者ならSIerが適しています。
「スペシャリスト」か「ゼネラリスト」か
Web系は「技術で課題を解決する」ことが求められるため、プログラミングスキルを突き詰めるスペシャリストが評価されやすい傾向にあります。対してSIerは、キャリアを重ねるにつれてコードを書く現場からは離れ、人と組織を動かすプロジェクトマネージャー(ゼネラリスト)としての役割を期待されるようになります。将来、自分がどうなっていたいかを想像してみることが大切です。
まとめ:隣の芝生は青く見える。自分の「色」に合う場所を選ぼう
Web系とSIer系、どちらが優れているという絶対的な解はありません。Web系の自由さは不安定さと表裏一体であり、SIerの堅実さは窮屈さと背中合わせです。重要なのは、世間の評判やネット上の「オワコン論」に流されることなく、あなた自身の性格やライフスタイル、そしてエンジニアとして何に喜びを感じるかという価値観にマッチする場所を選ぶことです。
もし、まだ自分の適性が完全には見えていないのであれば、両方の業界に詳しい転職エージェントに相談し、客観的な視点から自分のキャリアを棚卸ししてもらうのも一つの有効な手段です。それぞれの「国」のリアルな内情を知り、納得感のある選択をすることで、あなたのエンジニアライフはより豊かなものになるはずです。
